研究分担者 |
竹田 雅好 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30179650)
谷口 説男 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (70155208)
会田 茂樹 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90222455)
盛田 健彦 広島大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00192782)
日野 正訓 京都大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (40303888)
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研究概要 |
本研究は確率論が本来持つ横断性を有機的に活用・発展させるために,様々な研究テーマの下で第一線で活躍する確率論研究者たちを分担者として,彼等の研究の総和をもって我が国の確率論研究に貢献することを目的としている. 当該研究期間内に4つの国際シンポジウムの主催・共催(確率論と数論,大規模相互作用系の析,数理ファイナンスに関するもの2つ),26の国内研究集会の主催・共催(うち毎年開催したのは,確率論サマースクール,ランダム作用素,エルゴード理論,確率論シンポジウム)に携わり,延べ285人の旅費(うち外国旅費13件)を負担した. 研究成果は多岐に渡る.例として代表者の研究成果を3つ述べる.(1)モンテカルロ法を確率的ゲーム(賭け)として定式化しコルモゴロフの乱数理論を用いることによって,モンテカルロ法におけるサンプリングの本質的な問題を明らかにした.さらにその解決のためには暗号理論における疑似乱数生成器の安全性の考えが有効であることが分かった.とくにモンテカルロ積分の場合には「ペアごとに独立なサンプリング法」が安全な疑似乱数生成器を実現していることを指摘した.(2)任意の有限体を係数に持つ2つのmonic多項式が互いに素である確率をアデール完備化を通して,拡張されたエルゴード定理を用いて計算した.(3)自然数列の代わりに独立確率変数の和の列を考えることにより,di-gamma関数のランダム化を考え,それに関する中心極限定理について研究した.これは半直線上のランダムな電荷分布の作るポテンシャルの揺らぎに関する結果と見ることができる.
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