研究分担者 |
村田 實 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (50087079)
野口 潤次郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 教授 (20033920)
宮嶋 公夫 鹿児島大学, 理学部, 教授 (40107850)
今吉 洋一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30091656)
宍倉 光広 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70192606)
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研究概要 |
志賀啓成は擬等角写像によってリーマン面の複素構造を変形した時に,リーマン面上の等角不変量がどのように変わるかを研究し,双曲測地線間の距離の評価を得た.また、複素力学系においてFatou集合のMartin compact化の構造やJulia集合の零集合性などについて新しい知見を得た.村田實は放物型方程式対する初期・境界値問題の非負値解の一意性を用いて歪積型楕円型方程式のMartin境界を決定する方法を与えた。野口潤次郎は準アーベル多様体への正則曲線に対する最良な第2主要定理を得、正則曲線の代数退化性へ応用しM.Green予想をより一般な型で解決した。宮嶋公夫は正規孤立特異点の局所モジュライ空間への多様体構造からのアプローチとして,非特異部分の複素構造や境界上のCR構造のモジュライ空間について考察した.特に,非特異部分の複素構造の安定変形の完備族を複素3次元以上で構成し,特異点の変形の完備族を表現していることを示した.今吉洋一はリーマン面の正則族に関連して、その普遍被覆空間の複素解析的構造、与えられたモノドロミーを持つ正則族の構成、正則族の正則切断について研究した。相川弘明はp-調和関数について研究し,p-調和関数に関するCarleson評価を得た.宍倉光広は稲生啓行と複素力学系の放物型不動点の放物型くりこみに対し,具体的な不変関数空間を作り,小さな摂動に対しても安定であることを示した.松崎克彦は無限次元タイヒミュラー空間に作用するモジュラー群について,その元の分類や,漸近的タイヒミュラー空間上のファイバーを不変にする作用についての研究を行った.角大輝は,ランダムな多項式力学系を考察し,そのなかで自然に複素平面上にカントール関数,ルベーグの特異関数や高木関数の類似物が出現することを発見した.
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