研究概要 |
志賀啓成は古典的なDenjoy-Wolffの定理をリーマン面の正則写像に拡張し、Hardy-Littlewoodの定理における境界関数のヘルダー連続性をさらに一般化しても主張が成り立つことを証明した。また、擬フックス群の不変成分をリーマン写像の微分係数の増大度によって特徴づけ、さらに幾何学的有限または有限幾何を持つKlein群のリーマン写像微分係数の増大度についても研究し、この増大度評価に成功した。さらにNew York市立大学のMitra氏との共同研究で,リーマン面をパラメータ空間とする正則運動の拡張性や、Klein群と同変な正則運動の拡張性について新たな知見を得た. 相川弘明ポテンシャル論の立場から、境界Harnack原理とCarleson評価の同値性を導き、ユークリッド空間内の滑らかな領域でp-調和関数に対する境界Harnack原理を導いた。さらに容量密度条件の下で、調和測度がダブリングになる領域を特徴付けた。 須川敏幸は主に平面領域での解析を研究し、Bloch関数の解析的評価を与え、Y.C.Kim氏との共同研究では、一様局所単葉函数がバーディ族に含まれることを証明した。また、領域のボアンカレ計量を研究し,ポアンカレ計量と超幾何関数との関連を明らかにした。タイヒミュラー空間の研究では一次元タイヒミュラー空間の基点の変更による退化の様相を明らかにした。
|