研究課題/領域番号 |
17204011
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
長田 博文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20177207)
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研究分担者 |
舟木 直久 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (60112174)
篠田 正人 奈良女子大学, 理学部, 准教授 (50271044)
熊谷 隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
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キーワード | 確率論 / 解析学 / 統計力学 / 無限粒子系 / 確率解析 / 確率場 / 確率力学系 |
研究概要 |
本研究の目的は、無限粒子系の空間の確率力学系を、確率解析の視点から、総合的かつ統合的に研究することである。この目的のため、研究分担者・協力者からなる4つの研究グループを構成し、研究を行った。 1確率場グループは、篠田がガスケットグラフ上の一様spanning treeの個数の明示表現を得、更にループ消去random walk統計的量を計算した。この研究の異議の一つは、WernerのFields賞受賞以来、注目を集めているSLEの理論が、ガスケット上でも展開することができる可能性を暗示していることである。 2極限定理グループは、長田がクーロン環境における、粒子の漸近挙動に関し、干渉の強さに応じて鮮やかな様相の変化が生じることを示した。 3確率解析グループは、長田がカーペットと呼ばれるフラクタル上の拡散過程がみたす確率微分方程式を解いた。熊谷は、カーペット上のブラウン運動の一意性を証明した。 4.相互作用粒子系グループでは、種村が、無限次元ダイソンモデルの遷移確率の明示表現をえ、非平衡力学を構成した。無限次元で、強い相互作用を持つ系あるにもかかわらず、各点を出発する力学の具体的な確率を書き下した点に意義がある。この相互作用は2次元クーロンポテンシャルという重要なものである。
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