激変星、原始星、ブレーザー(活動銀河核)、γ線バーストは、空間と質量のスケールには大きな差があるにもかかわらず、天体の非等方性すなわち角運動量と、等方性すなわち重力、との“せめぎ合い"によって生ずる:質量が中心重力源に向かって引き込まれる。その余分は角運動量ベクトルと垂直方向にジェットとして噴出して輻射となる。相対論粒子ビームであれば、大きな輻射Lを狭い放射角Ωに集中できる。γ線バーストやブレーザーはこの分類である。原始星においては、衝撃波先端の放射がみえる。 我々は、南北両半球に配置された二つの小望遠鏡でそれぞれ同時偏光観測を追求して、これらの現象の及ぶ範囲を確認した。データは膨大である。かなたObsLogとして保存されている。いくつの観測についてはまとめたが、全体の考察および論文執筆にはかなりの時間と労力とを要する。 北半球:TRISPEC/かなた望遠鏡 矮新星:矮新星V455 Andが2007年に起こしたスーパーアウトバーストを可視・赤外(論文投稿中PASJ) 活動銀河核:GLAST/フェルミ衛星打ち上げ成功(6月)後から、22個のブレーザー天体を半年間にわたって可視赤外の強度と偏光変動を追跡し、解析はこれからであるが強度と偏光とも、数日間のタイムスケールで大きな変動を示す。 超新星:10天体および多数の新星、X線連星の観測を行った。 南半球:IRSF/SIRIUS 銀河中心部:JHK偏光掃天を行い、銀河磁場を研究している。また、ミラ型変光星から銀河の距離と星間減光を導いた。 ガンマ線バースト:GRB080916の早期測光を行った。(論文A&Ap掲載決定) 星形成領域:HH1-2領域周辺の磁場構造を明快に示した(ApJに投稿中)。
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