研究課題
銀河間中高温プラズマ(WHIM)からの酸素K-X線輝線を中心として観測するための衛星計画として従来からあった日本の小型衛星DIOSに加えて、ESA中型衛星EDGEの検討が始まった。いずれも4回反射を利用したコンパクトな新しいタイプのX線望遠鏡開発が急務となっている。このような状況の中、H18年度は従来型各段分割型クアドラント方式と並行して進めていた4段一体型の超精密研磨マンドレルの製作にめどがついた。これは要素ミラーの結像性能を大幅に向上させ、かつミラー製作枚数が従来の1/8に減少するため作業効率が大幅に上昇することを意味している。このため鏡面基板の製作方法を変更し、基板も4段および軸回り一体型にすることとし、この開発を加えて研究を進めた。X線望遠鏡の最適設計については、研磨マンドレルの進展に合わせ円錐光学系からウォルターI型を4段に拡張した光学系のための光線追跡プログラムをほぼ完成させた。これを用いてDIOSおよびEDGE衛星用X線望遠鏡の光学設計(DIOSについては再設計)をして有効面積、結像性能、GlUSP、視野などの諸特性を明らかにした。マンドレルの超精密研磨については150mm直径x150mm長さのサイズにおいて、表面粗さ1-2nmまで達成した。一体型鏡面基板については複数の製作方式を検討しており、現在の性能は厚さ0.5mm、形状精度200-300ミクロンで今後数倍の性能向上が必要。また光学的およびX線性能評価およびアラインメントシステムを平行光源、シールド付き小型X線管、デジタルマイクロスコープ、2秒読みレーザコリメータを導入して整備した。
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Publications of the Astronomical Society of Japan 59
ページ: 9-21
ページ: 1-7
Publications of the Astronomical Society of Japan 58・6
ページ: 931-943
Publications of the Astronomical Society of Japan 58・4
ページ: 703-718