研究課題
銀河間中高温プラズマ(WHIM)からの酸素K-X線輝線を中心として観測するための衛星計画として従来からあった日本の小型衛星DIOSのほか、前年度から検討が行われてきたESA中型衛星EDGEについてはプロポーザルを提出した。惜しくも不採択となったが、衛星を含めたシステム設計が進んだ。望遠鏡の最適設計については円錐近似を用いない本来のウォルターI型を導入した場合について、衛星本体の大きさ、検出器の大きさと要求される視野などを境界条件として、前年度完成させた光線追跡プログラムにより焦点距離・要素ミラーの口径の最大最小値、ミラー長さ、反射面金属の種類などを有効面積・Grasp(=視野×有効面積)・結像性能を最高にするように最適化した。その結果口径の小さい部分は2回反射を導入することが有効で、従来よりGrasp(=視野×有効面積)を50%向上できることがわかった。前年度その製作にめどがついた、ミラー形状精度向上に重要な超精密研磨マンドレルの開発においては、新設計光学系にあわせ内側2回反射用2回反射用マンドレルを製作し、設計値からのずれ0.5ミクロン以内の形状精度が得られた。これはマンドレル単独で0.5分角の結像性能に対応している。また4回反射型の超精密研磨マンドレルも製作した。このマンドレルに合わせミラー製作枚数が従来の1/8に減少する軸回り一体型鏡面基板の製作については、複数の製作方式の中から最終的に切削方式で0.2-0.3mm厚の基板が製作可能なことを明らかにした。また望遠鏡のハウジングについては、これを設計、製作した。アラインメントバーの一体化、真円度調整機構の導入、2ミクロンの溝加工精度等により、ハウジング単独として2分角の精度が得られることが実証された。
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Publications of the Astronomical Society of Japan 60・SPI
ページ: S307-S315
Optics for EUV, X-Ray, and Gamma-Ray Astrono my III Proceedings of the SPIE 6688
ページ: 668816-1-5
ページ: 668809-1-8
ページ: 668805-1-13