研究課題/領域番号 |
17204014
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研究機関 | 国立天文台 |
研究代表者 |
桜井 隆 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 教授 (40114491)
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研究分担者 |
西野 洋平 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 主任研究技師 (40189296)
宮下 正邦 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 研究技師 (50209904)
田中 伸幸 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 主任技術員
篠田 一也 国立天文台, 太陽天体プラズマ研究部, 主任技術員
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キーワード | 太陽 / 周期活動 / 黒点 / 磁場 / 太陽フレア / 磁気ヘリシティ / 観測装置 / 赤外線 |
研究概要 |
本計画では、現時点で使用可能なできる限り高速・高感度の赤外線検出器により、波長1.6μmの赤外線領域(Hバンド)で動作する高精度・高速の太陽磁場観測装置を製作する。太陽のフレア爆発のエネルギー蓄積機構の研究や、太陽内部での磁場生成機構の情報を持っていると考えられる磁場のよじれ度(ヘリシティ)の研究などが目的である。観測を赤外線で行うのは、磁場測定感度が波長に比例して高くなるため、可視光に比べて3倍程度高感度を達成できるからである。 観測装置を設置するプラットフォームは、国立天文台三鷹キャンパスの太陽フレア望遠鏡を用いる。その一部を改造して、本計画で製作する装置を搭載する。初年度の17年度は、赤外線検出器の選定と調達、光学系の主要部分の設計製作を行った。18年度に分光器を製作して装置を完成させる。 17年度に導入した赤外線検出器は、ベルギーXenics社のXEVA-FPA-640で、512×640素子のInGaAsカメラである。0.9〜1.7μmで量子効率80%以上を有し、また読み出し速度も60フレーム/秒と高速である。実際は、観測するスペクトル線の部分のみを読み出すので、さらに高速のデータ取得が可能である。 17年度に製作した光学系は、口径15cmの屈折望遠鏡対物レンズ、視野移動のための光学・機械系、分光器用スリット、スリット部分に組み込む太陽位置検出装置、分光器用結像光学系、およびこれらを保持する構造機構である。 17年度はこの他、現有の磁場観測装置による観測研究を引き続き実施して、本計画で導入する新装置との接続を図った。また、コロナにおける磁気エネルギーの解放の結果生じるプラズマ雲の放出現象を乗鞍観測所のコロナグラフを使って研究した。
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