研究課題
本計画では、現時点で使用可能なできる限り高速・高感度の赤外線検出器により、波長1.6μmの赤外線領域(Hバンド)で動作する高精度・高速の太陽磁場観測装置を製作する。太陽のフレア爆発のエネルギー蓄積機構の研究や、太陽内部での磁場生成機構の情報を持っていると考えられる磁場のよじれ度(ヘリシティ)の研究などが目的である。観測を赤外線で行うのは、磁場測定感度が波長に比例して高くなるため、可視光に比べて3倍程度高感度を達成できるからである。観測装置は国立天文台三鷹キャンパスの太陽フレア望遠鏡の一部を改造して搭載する。初年度の17年度には光学系主要部分の製作と赤外線検出器の導入を行った。第2年次である18年度には、分光器の製作、太陽位置センサーの制御機構の製作を開始した。これらの製作・試験の完了は19年度の予定である。分光器については、心臓部である回折格子を購入し、支持機構を設計した。望遠鏡の姿勢によって回折格子の支持が影響されないよう、細心の注意を払っている。観測装置は19年1月に実験室内に設置し、種々光学部品の取り付け、人工光源を用いた調整を行っている。18年度はこの他、現有の磁場観測装置による観測研究を引き続き実施して、本計画で導入する新装置との接続を図った。また、コロナにおける磁気ループの性質を乗鞍観測所のコロナグラフを使って研究した。
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