研究課題/領域番号 |
17204027
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
熊谷 健一 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (70029560)
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研究分担者 |
河本 充司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (60251691)
古川 裕次 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (50280863)
北 孝文 北海道大学, 大学院・理学研究院, 准教授 (20186224)
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キーワード | 強相関電子系 / 超伝導 / ナイトシフト / 核磁気共鳴 / FFLO / CeCoIn_5 |
研究概要 |
最近見つかった重い電子系超伝導体CeCoIn_5(T_c=2.3K)は、比熱や磁化の測定から強磁場領域(H>10T)での超伝導転移が1次相転移であることが明らかになり、さらには、このH_<C2>での常伝導-超伝導転移に加え低温で新たな超伝導状態への相転移に伴う比熱の異常が観測された。この新しい超伝導相は強磁場低温領域で実現していることから、超伝導秩序変数の空間変調を伴うFFLO(Fulde-Ferrell-Larkin-Ovchinnikov)状態である可能性が指摘された。FFLO状態が実現していれば超伝導秩序変数が周期的に変化するので超伝導の消失するノード面が現れることが予測される。ノード面と超伝導領域とでは準粒子状態密度が異なるので、ナイトシフトの大きな変化が期待されるので、FFFLO相の検証を目的として極低温強磁場下でのNMR測定をおこなった。 磁場をa軸およびc軸に印加したときにH_<C2>で1次転移が観測される高磁場・低温領域で各サイト(Co, In(1), In(2)の各サイト)の詳細なNMR測定をおこない、Pauli limitを超える強磁場で下での局所スピン帯磁率温度依存・磁場依存性を明らかにした。特に、一次相転移での局所スピン帯磁率の不連続変化をナイトシフトの変化として観測したのは最初の例である。スペクトルの特徴的変化を観測し、ノード構造の出現を明らかにした。また、H//a-axisに比べてH//c-axisの場合には、FFLO相はH-T図で極めて狭い領域にのみ現れ、BCS相との境界線の磁場依存性はほとんど無いことがわかった。このように、一次相転移を伴う新たな超伝導相がFFLO相であることを検証するとともにその特異な性質を明らかにし、CeCoIn_5におけるFFLO状態に関する研究に新たな進展をもたらした。
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