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2005 年度 実績報告書

高密度水素を利用した金属水素化物の合成と電子転移機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 17204032
研究機関独立行政法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

青木 勝敏  独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主席 (30356331)

研究分担者 竹村 謙一  物質・材料研究機構, ナノ物質ラボ, 主席研究員 (20171671)
清水 克哉  大阪大学, 極限量子科学研究センター, 教授 (70283736)
清水 宏晏  岐阜大学, 工学部, 教授 (80023258)
常行 真司  東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (90197749)
キーワード金属水素化物 / 希土類金属 / 構造転移 / 電子転移 / 圧力誘起相転移
研究概要

イットリウム金属と高密度水素との直接反応による合成した3水素化物YH_3の圧力誘起構造転移過程を放射光X線回折により詳細に観測した。その結果、六方晶から立方晶構造へ変わる10〜20GPaの遷移領域は従来報告されていた2相の混合相ではなく、Y金属平面格子が積層シークエンスを変える段階的過程であることが明らかになった。同様な六方晶-立方晶転移過程スカンジウムの3水素化物ScH_3でも観測されており、金属平面格子間に侵入した水素原子と金属原子間の結合形成がその原因になっているものと推測される。さらに、YH_3では立方晶への転移後、23GPa付近でバンドギャップが閉じる電子転移が観測された。
ランタンの3水素化物LaH_3では50GPaまでの超高圧放射光X線回折実験により立方格子が歪んだ構造に徐々に変化することが見出された。希土類元素の3水素化物では、六方晶と立方晶の2種類の結晶構造のみが知られていたが、歪んだ立方晶構造の出現によって水素-金属結合を理解する上での新しい研究対象が生まれたことになる。
Scの水素化物に関しては報告が極めて少なく、本研究によって合成された3水素化物の赤外反射スペクトル測定によりYH_3、LaH3と同様に絶縁体である可能性が示された。ただし、赤外光に対して不透明であり、水素化物の電子状態に関しては今後のより詳細な分光測定が必要である。
YH_3の六方晶-立方晶構造転移に関してはラマンスペクトル及び電気伝導測定により、転移過程の観測が行なわれており、X線回折実験結果と合わせて転移機構が解明されるものと期待される。さらに圧力誘起のバンドギャップクロジャーに関しては光吸収端測定およびバンド構造計算による研究がなされ、電子状態から見た機構解明が進展した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Infrared spectroscopic study of the band-gap closure in YH_3 at high pressure2006

    • 著者名/発表者名
      Ayako Ohmura
    • 雑誌名

      Phys.Rev.B 73

      ページ: 104105

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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