研究課題
基盤研究(A)
本研究では、比較的新しい既往災害地域を中心として、災害時、および災害前の崩壊分布を明らかにし、また、詳細な地質調査を行うことによって、崩壊の群発が地質に大きく規制されていることを明らかにした。そして、地域の崩壊危険性は地質によってかなり評価できることを明らかにした。本研究において、航空レーザースキャナを用いる事により過去の崩壊地を明瞭に検出できることが初めて明らかになった。豪雨時に崩壊が集中的に発生した地域で過去の崩壊地を検出したところ、これらの地域ではもともと過去の崩壊地の密度も高い事、すなわちこれらの地域は豪雨に対する崩壊危険性が高い性質を持っていることが明らかになった。そして、それらの原因が、岩石の風化帯構造にある場合と、地層の特有の構造にある場合とがあることがわかった。岩石の風化帯構造に原因がある場合として、非溶結火砕流堆積物であるシラス、白亜紀の和泉層群の砂岩泥岩互層、花崗岩類のケースを詳細に明らかにした。シラスでは特有の風化帯構造が形成されることが明らかとなり、風化帯の底に毛管障害壁が形成され、降雨による自重増加とサクションの消失によって崩壊が発生するという概念モデルを構築した。和泉層群の砂岩泥岩互層では、過去の深層風化帯が表層部で緩んで土層となり、それがサクションの消失と間隙水圧増加によって崩壊する場合が多い、すなわち堆積岩が深層風化した部分の危険度が高い事を示した。花崗岩類では、花崗岩と花崗閃緑岩とで風化帯構造が異なり、その結果、花崗岩の硬質のマサの分布域で崩壊の危険性が高い事を定量的に示すことができた。また、花崗閃緑岩でもマイクロシーティングが発達する場合には、崩壊しやすい事も示された。外浜の堆積物では、暴浪時の堆積物の砂に挟まれる粘土が遮水層となり、崩壊の原因となること、また、強風化安山岩類の谷を埋める風化火山灰が崩壊する場合も多いことが明らかになった。
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