研究課題/領域番号 |
17204046
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研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
北里 洋 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, プログラムディレクター (00115445)
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研究分担者 |
小栗 一将 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (10359177)
豊福 高志 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 研究員 (30371719)
石川 剛志 独立行政法人海洋研究開発機構, 高知コア研究所, グループリーダー (30270979)
中塚 武 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (60242880)
野牧 秀隆 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, ポストドクトラル研究員 (90435834)
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キーワード | 深海環境変動 / 層位・古生物学 / 化学指標 / pH / 堆積物-水境界 / 有孔虫 / 現場計測 / 飼育実験 |
研究概要 |
本研究は海底の堆積物-水境界(SWI)のpHプロファイルを、底生有孔虫殻に含まれる同位体比と微量元素組成を用いて復元し、物質循環の議論に応用することを目的としている。平成19年度の研究は以下の項目について行った。1)Sediment-Water Interfaceの化学プロファイルの現場観測:ROVで支援した自立型Lander systemに搭載したmicroelectrode systemを用いて、海底現場のSWIのDO,pH,NO3-プロファイル測定を相模湾中央部で行った。また、昨年度末に完成したoptode systemを用いて初島沖深海ステーションとケーブルで直結して電源の供給を受け、5ケ月間におよぶ連続観測を世界で初めて開始した。2)表層未撹乱堆積物試料の採集による化学フロファイルの測定と有孔虫群集の相関:マルチプルコアラーを用いて採取した海底表層未撹乱堆積物試について間隙水中のDO,pHプロファイルをmicroelectrodeを用いて測定した。また,柱状コア試料は表層から5mmずつ切り分け、各分画毎に有孔虫群集を分析した。3)精密培養実験:表層未撹乱堆積物試料から底生有孔虫類を拾い出し、底層水とともに実験室内で温度、塩分、DO、pHなどをコントロールした培養実験をインテリジェント培養水槽を用いて実施した。細胞内のpH分布の可視化法を確立し、石灰化部位でpHが9.5まで上がることを確認した。4)有孔虫殻の安定同位体測定および微量元素測定:海底表層部のさまざまな深度から採取した有孔虫個体および実験室で精密飼育実験の過程で成長した個体はそれぞれ最終室を対象に、炭素および酸素同位体比を測定した。炭素同位体比は堆積物の深度と共に大きく変化し、pHとの相関が見られた。pHの指標と考えられるホウ素同位体測定は、微量で精度良く測定することに成功した。
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