研究課題
基盤研究(A)
放射光施設SPring-8において燒結ダイヤモンドアンビルを装着した川井セルを用いた高圧力発生実験を継続した。その結果、Andersonの金スケールにおいて室温で85GPa、1000Kでは87GPaの発生を確認した。このような高圧高温発生技術の革新のもとでMgGeO3のペロフスカイト-ポストペロフスカイト相転移境界線の決定を行った。結果はDACによる半定量的に決定された相境界線より明確に小さなdP/dT勾配とともに幾分高圧側に位置することを示した。同時に選択された圧力スケールに大きく依存することも示され、絶対圧力スケールの確立の重要性も指摘した。DAI型ガイドブロックで川井セルを圧縮する際には上下方向と水平二軸方向との不均等圧縮、ガイドブロック内での摩擦による荷重ロスが問題になる。これらの欠点を克服するためハイテクサーボ機構により独立に駆動できるジャッキを備えた6軸高圧装置を導入した。60GPa以上までの圧力校正の結果、DAI型ガイドブロックによる摩擦ロスは60GPaでは45%にのぼることが明らかになった。したがって、6軸装置は100GPa以上の圧力発生に極めて有望であることが明らかになり、放射光施設との早期の連結が切望される。(Mg0.9Fe0.1)2SiO4組成のワズレアイトとリングウダイトの電気伝導度を無水、含水の状態でそれぞれ16GPa,2000GPa,2000Kまで測定して、それぞれの鉱物についてホッピング伝導とプロトン伝導のパラメータが決定された。これらの結果を地球電磁気学的測定から決定されたマントル遷移層の電気伝導度は無水のワズレアイトとリングウダイトのもので対応づけられることが明らかになり、マントルのこの領域が相対的に水に富むとする仮説は否定された。
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Phys. Chem Mineral. 34
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http://www.misasa.okayama-u.ac.jp/~hacto/top_j.html