研究課題/領域番号 |
17205001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大野 公一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60012499)
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研究分担者 |
山北 佳宏 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教 (30272008)
岸本 直樹 東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (60302080)
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キーワード | 電子分光 / 衝突イオン化反応 / 相互作用ポテンシャル / 固体表面 / 分子配向 / 吸着 |
研究概要 |
前年度より継続して、超高真空中で清浄化した金属基板表面に吸着した分子に対して、準安定励起原子ビームと超高感度時間相関電子エネルギー分析器を用いた衝突エネルギー/電子エネルギー分解2次元電子分光法を開発し、部分イオン化断面積の衝突エネルギー依存性から、分子と励起原子の相互作用の異方性について情報を得ることが出来た。このような実験手法は他に類を見ないもので、極めて高い独自性を持つ。今年度は測定対象として、低温銀基板上に吸着した五員複素環式芳香族化合物、アクリロニトリルなどのニトリル類、パラベンゾキノンなどについて観測し、いずれも基板吸着による配向効果のために、気相分子の場合と異なった相互作用の立体異方性に関する情報を得て、分子の吸着した界面の研究を進展させることが出来た。また、銀以外の金属基板を用いた場合の吸着状態の変化についても、すでに予備的データを得ることが出来たため、発表準備を進めている。 また、反応性の高いアルカリ金属原子であるナトリウムを用いて表面上での化学反応を誘起したところ、ナトリウムによる脱水素化反応や、ナトリウムを中心とした架橋構造などを基板面上で生成したことを、部分イオン化断面積の衝突エネルギー依存性から確定した。これらの結果は、積極的に学会で発表した。今後は、界面化学反応過程によって生成した化合物に関する解析を進め、最終年度として論文投稿を積極的に行う予定である。
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