研究課題/領域番号 |
17205006
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大坪 徹夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80029884)
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研究分担者 |
播磨 裕 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20156524)
瀧宮 和男 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40263735)
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キーワード | ナノ分子 / 機能分子 / 分子エレクトロニクス / 巨大分子 / ナノサイエンス |
研究概要 |
平成17年度の研究実績として以下の各項目で顕著な成果を得た。 (1)集光機能型ナノ分子の開発:人工光合成分子素子や光電変換分子素子の開発を目指すには、設計する分子骨格中に集光機能を導入することが不可欠である。そのような集光機能型ナノ分子として、光アンテナーとしてポルフィリンやフタロシアニンなどの強い光吸収系で修飾されたオリゴチオフェン分子の開発に成功した。さらに高溶解性オリゴチオフェン骨格を用いた新規近赤外色素の開発にも成功した。 (2)長距離電荷分離型ナノ分子の開発:光で誘起される電荷分離は人工光合成や光電変換素子(太陽電池)の基本となる物性であり、長寿命電荷分離系の構築が最重要課題となっている。長寿命系設計の一つのアプローチとして電荷分離された二つの電荷をナノ分子の遠い位置に離すことが考えられる。このコンセプトに適う分子として、長距離に電子の流れを保つようにエネルギー準位を並べたオリゴチオフェン-オリゴチオフェン-フラーレン多成分ナノ分子系の開発を行い、効率の良い光電変換機能を有することを見いだした。また、外部刺激により電子移動をコントロールできるゲート機能付き分子ワイヤーとしてポルフィリン-クラウン型オリゴチオフェン-フラーレン三元系の光誘起電子移動の開発を行った。その研究で制御部位でのアルカリ金属イオンの捕捉に応答して、オリゴチオフェンを経由する電子移動やエネルギー移動が切断できることを見出した。 (3)光電変換機能ナノ分子の開発:実用的なプラスティック有機太陽電池の実現を目指すために、オリゴチオフェン/フラーレン連結系化合物に着目して、オリゴチオフェンの側鎖に多くのフラーレンを付けた化合物を開発し、ホール輸送と電子輸送がバランスをとることにより光電変換効率の向上を図れることを見出した。
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