研究課題/領域番号 |
17205010
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
今坂 藤太郎 九州大学, 大学院工学研究院, 教授 (30127980)
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研究分担者 |
内村 智博 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (40346820)
今坂 智子 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 教務職員 (90193721)
財津 慎一 九州大学, 大学院工学研究院, 助手 (60423521)
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キーワード | 超短パルス光 / 誘導ラマン散乱 / 四波ラマン混合 / 多色レーザー / 質量分析 / パルス幅測定 |
研究概要 |
1.コヒーレントラマン散乱による超短パルス光の新規圧縮手法の実現 コヒーレントラマン散乱によりスペクトル幅の拡大された近紫外フエムト秒パルスに対して分散補正法を行い、18fsまでのパルス幅圧縮に成功した。また、オルト水素とパラ水素の回転ラマン光の同時発生によるサブパルス抑制について検討した。 2.質量分析計を用いた極限の超短パルス光測定装置の開発 質量分析計を検出器とした自己相関計測計においてXeをイオン化源とすることによる深紫外超短パルス光時間波形評価に初めて成功した。この手法は、最短1.8fs時間幅の深紫外超短パルス光を計測可能な帯域幅をしており、極限の超短パルス計測の可能性を有すると期待される。 3.誘導ラマン散乱による紫外フェムト秒レーザーの波長変換 高圧水素中の高次誘導ラマン散乱によって、深紫外(266nm)から近紫外(1次ストークス光:300nm、2次ストークス光:342nm)への超短パルス光波長変換を実現した。300nmにおいて、ダイオギシン化合物の極微量分析に有効な50μJ以上のエネルギーを得た。 4.誘導ラマン散乱による3原色レーザー光の発生 重水素・メタンガスをラマン媒質とした波長変換装置において、マルチパスセル・中空フォトニック結晶ファイバーセル・中空キャピラリーセルを検討し、3原色レーザー光の高効率発生(青459nm:12.1%、緑532nm:49.7%、赤632nm:34.6%)に成功した。 5.紫外超短パルス光による環境汚染物質の極微量計測への応用 極限の超短パルスの応用として、波長変換された紫外フェムト秒パルスを用いた超音速分子ジェット/多光子イオン化質量分析法により、ダイオキシン化合物の極微量分析を行った。結果として、夾雑物による妨害を排除し、毒性生を有する5塩素化ダイオキシン化合物検出の選択性の向上に成功した。
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