研究課題/領域番号 |
17205015
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
西村 紳一郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00183898)
|
研究分担者 |
長堀 紀子 北海道大学, 大学院・理学研究科, 寄附講座教員 (90372268)
篠原 康郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 特任助教授 (20374192)
|
キーワード | gold collodial nanoparticle / glycosyltransferase / mass spectrometry / enzyme assay |
研究概要 |
糖鎖-磁性微粒子による特異的タンパク質の相互作用解析 糖鎖還元末端のアルデヒド基と反応するアミノオキシ基を末端に有し、水溶性のPEGおよび自己組織化能を持つ長鎖アルキルを含むリンカー構造を持つ両新媒性チオール化合物を合成した。合成した化合物はナノ微粒子および銀被覆磁性ナノ微粒子表面に安定に結合することを、MALDI-TOF MSによって確認した。微粒子表面での糖鎖補足官能基密度を制御するために、末端に水酸基をもつ類似のチオール化合物を合成した。これにより金属微粒子表面での糖鎖密度を任意に制御することが可能となった。微粒子表面に提示したアミノオキシ基と遊離の糖鎖との反応により、微粒子表面に糖鎖を提示させた。この糖鎖-金属微粒子を用いて特異的タンパク質のつり上げ実験を行った。 マンノペンタオースを結合した磁性微粒子を、マンノース特異的ConA、ガラクトース特異的PNAの混合溶液に加え室温でインキュベート後、磁石によって微粒子を回収した。微粒子をバッファーで洗浄しMALDI-TOF MS測定を行ったところ、ConAのみを選択的につり上げたことを確認した。次につり上げたConAを微粒子上でトリプシン消化し、洗浄後MS測定を行ったところ、マンノース認識部位を含むフラグメントが選択的に検出された。またConAのトリプシン消化物にマンノペンタオース結合磁性微粒子を加えた場合にも、マンノース認識フラグメントが選択的につり上げられた。本研究によって、磁性微粒子の操作性に加え、質量分析計を用いることで微量分析およびペプチドのシーケンス解析までを短時間で行えることがわかった。したがって作製した糖鎖-磁性微粒子複合体は、ターゲット糖鎖を特異的に認識する化合物のhigh-throughput探索に有効であることが示された。
|