研究概要 |
Alの陽極酸化にもとづき規則的なホールアレー構造を形成する陽極酸化ポーラスアルミナにおける細孔配列の規則化と機能的な応用に関し検討を加え,以下の成果を得た. 1.微細な周期の細孔構造が自己組織化的に形成可能な陽極酸化条件に関し検討を加えた. 2.陽極酸化に先立ちAl表面にテクスチャリングを施し,孔発生開始点の制御を行なう手法に関して,電子ビーム描画に基づいてモールドを作製する手法,均一なサイズの超微粒子が形成する2次元規則配列を鋳型とする手注について検討を加え,微細な周期で規則細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナが得られることが確認された.電子ビーム描画によるモールド作製手法では,ネガ型レジストを導入することで,周期25nm程度の規則配列を有するポーラスアルミナが得られることが明らかになった. 3.形成される細孔配列の定量的な評価法としてSEM画像のフーリエ変換が有効なことを確認した.更に,得られた結果にもとづいて,陽極酸化にともなう細孔配列の規則化の機構に関し考察を行った. 4。ポーラスアルミナを鋳型とする各種転写プロセスいついて検討を行い,微細な周期構造においても金属,ポリマー等への忠実な転写が可能であることが確認された.更に,これまで困難であったカーボン素材への転写プロセスの開発に成功した.このほか,高アスペクト比構造を精密に転写可能な手法に関しても検討を加えた. 5.形成された規則ポーラス構造の応用として,液体,気体系精密ろ過膜,膜乳化プロセス,高密度磁気記録媒体,生体関連分子の規則配列形成等への応用に関して検討を行った。
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