研究課題
本研究では30fsの基本波と24fsの2倍波をコヒーレントに重ね合わせた2色電場下で、7nm以上で著しい高調波の出力の増加を観測した。出力の増大は長波長ほど大きく13〜20nmでは基本波のみの高調波出力に比べ数十倍から百倍以上であった。しかし水の窓領域では基本波のみで高調波が観測されたものの、2色電場下による高調波出力増大はなかった。この原因は(1)2波長電場間の相対位相が制御されていないことと、(2)励起パルス幅が長すぎ、水の窓領域の高調波が発生する以前にターゲットガス(He,Ne)がイオン化して2色電場のピーク時に中性原子がないためであることを明らかにした。この結果はPhysical Review Aに掲載された。この結果を踏まえ、励起レーザーの短パルス化を行った。チタンサファイアレーザーでは再生増幅器の部分を光パラメトリック増幅器に変えることにより11fsの基本波を得た。また全システムを光パラメトリック増幅器に変えることにより、6.4fsの基本波を得た。これに加え2波長間の相互位相を制御するため、精密遅延装置を開発した。これらの装置を組み合わせることにより、2色電場を用いた水の窓領域での高出力高調波発生を目指す。これを用いて内殻励起にともなう超高速過程の時間分解光電子分光を開拓する。またアト秒パルス発生、イオン化のパルス内光波位相効果、高調波を光源とした超高分解能光電子分光など関連する分野で成果を上げた。
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