研究概要 |
マイクロバブル混相流技術に新たな展開を拓くために,研究代表者がこれまでに研究開発してきたマイクロ光ファイバープローブに,新たに電気信号伝播と物質輸送機能を付与することにより,多機能化(光,電気,物質の3要素によるマルチ機能)して,以下を実施する. 1.光信号(相変化による界面反射特性)と電気信号(電気伝導度)とを同時利用して,マイクロバブルや液滴の物理的特性:径,速度,界面電位,動的表面張力等を高精度に同時計測するシステムを確立する. 2.上記計測後直ちに,本マルチプローブを用いてマイクロバブルや液滴に物質を注入することによりその物理的特性(表面張力,光感応性)や化学的特性(表面電位,反応性)を改質,改変,制御する手法を確立する. 3.フェムト秒レーザーと上記注入物質の融合作用により,マイクロバブルや液滴に今までにない新たな機能を選択的に発現させる手法を開発する. 4.機能発現に伴うマイクロバブル・液滴の動力学的特性の変化,周囲相との動力学的干渉性の変化を解明し,素材製造用の動力学データを取得する. 平成18年度には,以下を実施した. 1.光電マルチマイクロプローブ計測の高精度化 (1)中空マイクロプローブヘのビーム入射をナノレベルで位置制御することにより,入射光量効率を高め,相変化による戻り光量を50%アップさせた. (2)計測時と気泡改質時とで光の波長を変えることが必要となる.これを計測と気泡の機能化には波長の異なる光を巧みに利用することにより実現した. 2.機能発現気泡の動力学特性の解明 (1)物質注入後,気泡(径50μm)の動力学特性(界面運動,重心運動)がどのように変化するかを高精度の可視化により解明した. (2)加えて,物質注入後の気泡周囲の液相運動の変化を,マイクロPTVにより解明した. (3)レーザー光により改質した気泡の動力学特性(界面運動,重心運動)を高精度の可視化により解明した. (4)また,この時の近傍の液相運動を解明した.
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