研究課題
本研究は「光エネルギで駆動するマイクロ・ナノメカトロニクス」(略称:光駆動ナノマシン)の新概念を提案し、各種基盤技術を研究開発することを目的としている。光駆動ナノマシンは、従来のマイクロマシンやナノマシンの場合と違い、マイクロモータの開発や駆動配線の問題を一掃する。さらに、バイオテクノロジや生化学の世界で必要不可欠な、液中駆動と、遠隔操作を実現する大きな利点を持つ。しかし、通常サイズのメカトロニクスとは違い、マイクロ・ナノスケールに起因した技術的かつ学術的に興味深い、新しい問題を解決する必要があった。具体的には、独自開発の高速スキャン2光子ナノ光造形法をさらに改良し、製作プロセスの安定化と高精度化を達成した。その結果、組み立て工程不要で100nm分解能の3次元ナノマシンを、歩留まり良く作製できるようになった。さらに、光エネルギを効率良く力学エネルギに変換する手法、高精度な遠隔制御手法、力計測手法など、本概念の基盤技術を開発することに成功した。将来の応用をめざし、非バイオ系とバイオ系の双方にわたる、広範なナノ操作の可能性を実験的に確認した。
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