研究分担者 |
田中 弘美 立命館大学, 情報理工学部, 教授 (10268154)
鳥山 寿之 立命館大学, 理工学部, 教授 (30227681)
登尾 啓史 大阪電気通信大学, 総合情報学部, 教授 (10198616)
喜多 泰代 産業技術総合研究所, 情報技術研究部門, 主任研究員 (00356875)
|
研究概要 |
平成17年度は,内部変形の計測とシミュレーションとの比較,アダプティブグリッドによる適応的な変形シミュレーション,階層レオロジーモデルによる高速計算とモデル同定,マイクロフォースセンサの特性分析,マンモグラムのための乳房変形シミュレーションを行った.内部変形の計測では,MRI装置,CT装置,超音波撮像装置により食品生地の内部変形を計測し,得られた計測結果をレオロジー物体の有限要素シミュレーションと比較した.その結果,シミュレーションで用いている等方一様モデルの限界が明確になり,異方非一様モデルに必要性がわかった.非一様モデルの定式化は可能であるが,モデルパラメータの同定が今後の課題である.アダプティブグリッドによる適応的な変形シミュレーションにおいては,力の分布を指標としてパーティクルベースモデルを適応的に細分化する手法を確立し,レオロジー物体の変形や切断のシミュレーションを実現した.階層レオロジーモデルでは,オクトツリーの概念に基づき,粒度が異なるメッシュから構成されるモデルを構築し,その力学パラメータを最適化の手法を通して実験的に求める手法を試み,計算時間の短縮に有効であることを示した.マイクロフォースセンサの特性分析においては,柔軟物に埋め込んだセンサの出力と柔軟物の有限要素解析を比較した.乳房変形シミュレーションでは,マンモグラムから得られる乳房形状情報より,レオロジー物体のメッシュモデルを自動生成するツールを作成した.変形シミュレーションにより推定される異常部位の3次元位置情報が,MR検査画像から得られる位置情報とより一致することを確認した.さらに,乳房の3次元レオロジーメッシュモデルを用いてマンモグラム撮影時の乳房変形シミュレーションを実行し,実際に観測されたマンモグラムとの整合性を境界条件として用いる方向性を見出した.
|