研究分担者 |
堀岡 一彦 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (10126328)
沖野 晃俊 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (60262276)
河村 徹 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 講師 (10370214)
渡辺 正人 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (20251663)
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研究概要 |
本研究は,デブリフリーで高品質かつ高出力の次世代リソグラフィー用EUV光源を開発するために,(1)電源蓄積エネルギーからEUV光への変換効率の増大,(2)デブリ発生の抑制,(3)これらによっても抑制できないデブリ除去のために放電ガスと相互干渉しないデブリシールドの開発,を行うことを目的としている。 従来型のZピンチ放電部には絶縁壁があるため,これからデブリが放出される。そこで,高速ガス流を用いた放電部とすることにより絶縁壁を除去し,半径方向から集光する構造とした。不純物線の分光計測により,この方法によりデブリが格段に低減されることが確認された。さらに,特別に設計した同軸円筒ガスカーテンには,当初想定していなかった,放電ガスの閉じ込め効果があることも確認された。 従来の装置では,放電回路の浮遊インダクタンスが大きく,十分大きな電流を得ることができなかった。そこで,放電回路を再検討し,LC反転型電源および2段のMPC回路を用いることにより最終段の浮遊インダクタンスを可能な限り低減した電源回路を設計・製作し,短絡負荷試験により,パルス幅260ns,最大電流22kAの放電電流を得た。さらに,電気入力からEUV光への変換効率を増大することを目的に,効果的なRF予備電離によりプラズマジェットを生成する装置を設置した。 当初の計画にしたがって,RF予備電離されたプラズマジェットを用いてZピンチ実験を行った。その結果,プラズマジェットを用いた場合,真空容器内が弱電離プラズマで満たされるため,主放電時にプラズマジェット以外の部分で放電が生じ,現状の構成ではZピンチプラズマが得られないことがわかった。真空容器内を高真空に保つために,ディフューザ用の真空ポンプを真空容器の排気に用い,真空度の改善を図っている。
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