研究課題/領域番号 |
17206031
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
堀越 佳治 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (60287985)
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研究分担者 |
大泊 巌 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30063720)
三浦 道子 広島大学, 工学部, 教授 (70291482)
品田 賢宏 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (30329099)
河原塚 篤 早稲田大学, 生命医療工学研究所, 講師 (40329082)
小野満 恒二 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (30350466)
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キーワード | MBE / MEE / 選択エピタキシャル成長 / ナノチャネル |
研究概要 |
本研究の目的はMEE選択エピタキシャル成長を用いて、バリスティックデバイス、一次元磁性クラスター列構造の実現にある。我々が確立したMEE法による選択エピタキシャル成長の手法は、基板上のマスクに忠実に微細構造を形成することが可能である。このため成長後の微細構造加工による損傷が無く、本研究の遂行にはきわめて有効な手段である。しかし、現在主に選択成長法に用いられているマスク材料はSiO2などの非晶質で、スパッタリング法などによる作製時に、プラズマ中のイオン成分により基板表面にダメージが導入されてしまう。特に量子井戸構造などのダメージに敏感な構造上に選択成長法を用いて微細構造を作製する場合、このダメージは大きな問題となる。そこで本研究では、基板にダメージを導入することなく作製できるAlGaAs層の表面に形成される自然酸化膜をマスクとして用い、GaAsの選択成長を行いナノ構造を作製した。エピタキシャル成長させた単結晶膜であるAlGaAsの格子定数はGaAsにほぼ等しいことから、非晶質マスクを用いる場合に比べて損傷のない良好な界面が形成できた。 次に希薄磁性体GaMnAsに関して、高濃度にMnを導入した場合、結晶成長表面でGaサイトのMnと格子間Mnの形成エネルギーの差が小さくなるために、格子間Mnの形成が促進されてしまう。この格子間MnはGaサイトのMnと結合することで反強磁性成分となり磁気特性の向上の大きな障壁となっている。格子間Mnの形成をドナー性不純物であるSiによって抑制することを検討した。 次にMnAsクラスター列の電気特性に関しては、GaMnAsをアニールすることで生成し、マイクロチャネルを用い、巨大磁気抵抗効果の発現を観察した。今後このチャネル幅をナノサイズまで微細化し、MnAsクラスターとチャネル幅の相関関係を調べ、より高温での巨大磁気抵抗効果の発現を目指す。
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