研究課題
本年度は、1.量子リングやドット構造の自己形成手法の高度化、2.それらが関与する特異な電子伝導と光検出機能および3.光学特性について研究を進め、以下の成果を得た。これまで、格子定数の異なる基板上のStranski-Krastanov(SK)型成長で10nm級のドットが自己形成する過程を利用し、これに一工夫を加えてリング構造を作成してきたが、本年は別の液滴エピタキシー手法を検討し、成長過程の設定次第で、良質なGaSbやInSbのドットに加え、リング構造が形成できることを見出した。また、GaSbの量子ドットを伝導路の近傍に埋めこんだp型ヘテロFET素子を開発、ゲート電圧の印加で正孔を蓄積させて閾値の制御可能性を示すとともに、光照射でも正孔が蓄積されるため、近赤外光を検出できることも明らかにした。また、単一のSKドットに微細電極を設けた素子では、電極材料に依ってスピンが関与する特異な電子伝導の生じることも示した(平川チーム)。さらに、ドットやリング内の励起子の量子状態や光学特性を理論解析し、束縛エネルギーや波動関数の形状を明らかにするとともに、各種のドットやリングを埋めこんだ構造の蛍光特性を実験的に調べ、その特徴を示すとともに、多重極放射素子への応用可能性を検討した。また、量子リング内の電子や正孔は、その形状により、量子細線に近い量子状態を作る。そこで、量子細線内に1次元的な励起子や電子・正孔を導入した時の光学特性を、理論実験の両面から調べ、一連のユニークな特徴が現れることを示した(秋山チーム)。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 18件) 学会発表 (9件)
Applied Surface Science Vol.254,(11)
ページ: 3385-3390
J, Crystal Growth Vol.301-302
ページ: 910-913
J. Crystal Growth Vol.301-302
ページ: 697-700
ページ: 828-832
ページ: 731-734
Physica E Vol.40,(2)
ページ: 233-236
Applied Physics Letters Vol.91
ページ: 232105
Physical Review Letters Vol.99
ページ: 136806
Physical Review B Vol.75
ページ: 085417-1-7
Physical Review B Vol.76
ページ: 081303-1-4
Applied Physics Letters Vol.91,(11)
ページ: 112102-1-3
Applied Physics Letters Vol.91,(2)
ページ: 022107-1-3
Applied Physics Letters Vol.90,(5)
ページ: 053108-1-3
Jpn. J. Appl. Phys. Vol.46
ページ: L1071-L1073
J. Appl. Phys. Vol 102
ページ: 093509
Phys. Rev. Lett. Vol.99
ページ: 167403
ページ: 126803
J. Appl. Phys. Vol.101
ページ: 103541