研究課題/領域番号 |
17206038
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
石田 誠 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (30126924)
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研究分担者 |
澤田 和明 豊橋技術科学大学, 工学部, 准教授 (40235461)
高尾 英邦 豊橋技術科学大学, インテリジェントセンシングシステムリサーチセンター, 准教授 (40314091)
川島 貴弘 豊橋技術科学大学, 研究基盤センター, 助教 (50378270)
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キーワード | スマートセンシングチップ / 三次元微細針電極 / 単結晶シリコンプローブアレイ / VLS選択成長 / 生体細胞電位計測 / 脳神経科学 / MOSFET on Si(111) / マイクロ・ナノテクノロジー |
研究概要 |
神経細胞活動計測において、空間的な電位分布を多点で同時に計測するための電極開発が必要とされている。VLS結晶成長を用いたシリコンプローブは、センサー部となるプローブのサイズ、長さ、位置を制御可能であり、微細プローブ電極としてのアレイ化が可能となる。また、シリコン結晶成長を用いるため、標準的なCMOSプロセスの後にプローブ形成が可能であり、同一基板上に信号処理回路を一体化することができる。これらを集積化した高機能スマートセンシングチップは、脳神経科学における信号解析のための強力なツールとなることが期待されている。これまでの神経電位計測を通した研究で、シリコンプローブアレイ電極の評価及び三次元空間的神経活動計測を可能とするプローブの三次元化のプロセスを実現してきた。さらに生体への長期埋め込みを視野にいれ、生体適合性に優れた材料且つ、三次元化に対応するプロセスの提案をし、実現してきた。今年度は、更に神経活動計測及びスマートチップ化における強力なツールとするため、以下を実現した。(1)これまで開発してきた電極は、電極インピーダンスが大きいため計測信号に対する信号の減衰・ノイズの影響が大きいことを理論的・実験的に示すことを実現した。そこで解決策として、本チップに適した集積回路形成方法を確立し、バッファアンプとして実際にインピーダンス変換回路との一体化及び回路動作を確認した。(2)生理実験及び人体への埋込みを考慮した際、信号記録用の配線などが一番問題となっていた。そこでワイヤレスの基礎技術として、Si基板上にコイルなどを形成したワイヤレス信号伝搬システムの構築を行った。本結果より、300MHzでの信号の送受信が可能であることを確認した。来年度も同様に神経電位計測を継続すると共に、本年度得られた技術の融合を目指し、神経電位記録用スマートデバイスの開発を行っていく。
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