研究課題
本研究は、申請者らが考案し提唱している、可逆変換を用いた高速な物体像再構成アルゴリズムの原理を具体化し、UWBパルスレーダーシステムにこれを適用して、現実の室内環境において利用可能な高精度3次元環境認識技術を確立することを目的とする。初年度である本年度は、主に実験環境の整備と、理論を現実のデータに適用する際に問題となる各種の誤差要因の定量的検討を進めてきた。特に、既存のUWBパルス生成デバイスは、通信用途に開発されたものであり、パルスレーダに用いるには、帯域や波形の点で問題があった。そこでフィルタ等の特性を検討し、距離分解能特性に優れたパルス生成回路を製作した。またデータ取得についても、実時間性能を得るためには各パルスを20GHz/s程度の間隔で計測する実時間サンプリングが必要であるが、波形を詳細に観測する目的には、パルス毎にタイミングを変えてサンプリングを行う等価サンプリングが適している。この機能を有するサンプリングオシロスコープを用いてデータ取得を行い、PCに転送してその後の処理を行うためのデータ取得環境を開発した。この形態はデータ取得速度が低いが、汎用性が高く、開発段階において処理アルゴリズムの変更に柔軟に対処できる利点を有する。基礎実験により、目標からの反射波より、送信デバイスから直接受信デバイスに入射する直達波がはるかに強いことが明らかになっており、その除去が必要である。このためには直達波の波形変動とトリガ信号のジッタを抑えることが重要である。必要な波形の安定度を検証し、レーダ用途に適した送受信デバイス開発の目処を得た。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件) 産業財産権 (1件)
電子情報通信学会論文誌 Vol.J88-B, No.12
ページ: 2311-2325
電子情報通信学会論文誌 Vol.J88-A, No.5
ページ: 568-576
Proc.2005 IEEE Int.Geosci.Remote Sens.Symp.
ページ: 1725-1728
Proc.2005 IEEE AP-S Int.Symp.
ページ: P24.5
XXVIIIth URSI General Assembly
ページ: F05.7