研究課題
本課題では、申請者らが考案し提唱している、可逆変換を用いたUWBレーダのための高速な物体像再構成アルゴリズムの原理を具体化し、現実の室内環境において利用可能な高精度3次元環境認識技術を確立することを目的とする。最終年度となる平成20年度にはイメージング手法の改良により、複雑な形状の目標にも適用可能な3次元イメージングシステムの開発を行った。形状が複雑な場合には、複数の散乱波が互いに干渉し、従来手法の適用が困難であった。まず、受信信号のアンテナ位置-遅延時間の関係を複数の滑らかな曲線でモデル化し、最適化問題に帰着させた。ここで、可逆変換式の特徴を利用することでモデルの自由度を減らす手法を考案した。推定されたアンテナ位置-遅延時間の関係に対して可逆変換を適用することで形状推定が可能であることを明らかにした。この手法の開発のためには、複数の散乱波の干渉の仕方や散乱波形の歪みなどの特徴を詳細に調べる必要がある。このため、まず計算機シミュレーションにより電磁界散乱の物理的な性質を詳細に調べた。次に、実験的検証のために平成19年度までに整備したUWBレーダ実験システムを用いた。複雑な形状の目標としては、研究室設備である複数の導体球により構成される実験用冶具を使用した。測定時間、イメージング処理時間、推定精度および分解能について、計算機シミュレーションと実験結果の双方を用いて詳しく調べ、可逆変換を用いた高速立体UWBレーダイメージングの実現可能性を明らかにした。
すべて 2009 2008 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (22件) 備考 (1件)
IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing vol. 47, no. 4
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IEEE Transactions on Geoscience and Remote Sensing vol. 47, no. 11
IEICE Transactions on Coimunications vol. E91-B, no. 11
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http://www-lab26.kuee.kyoto-u.ac.jp/index.html