研究概要 |
本研究では,理論構築→シミュレーション→実証実験→理論構築(修正)→シミュレーション(修正)→…というループを構成しながら最終目標である「二足歩行の力学大系」(歩行力学)を築き上げることを目標にした.そのために研究の柱として「A.歩行理論基礎」,「B.歩行シミュレーション」,「C.歩行実験」をたてる,そして最終的には「D:歩行力学大系」を構築する,という螺旋スキームを考えた.最終フェーズの結果は次のとおりである. [A:歩行理論基礎:Phase4]受動的動歩行に関する物理学的な解釈が明確になり,なぜ受動的動歩行が成立するのかの理由が部分的に明らかになった. [B:歩行シミュレーション:Phase4]完成されたシミュレーターを用いて歩行力学を種々の観点から検証を行い,理論の妥当性を示した.また超多脚型受動的動歩行の存在を示唆した. [C:歩行実験:Phase4]本研究であきらかになる歩行力学系を基礎においた準受動的脚ロボットの試作した.これには本研究から生まれた新しい制御則が組み込まれ,アクチュエータとしては空気圧式ゴム人工筋が用いられておりシンプルな制御で歩行が可能になった. [D:歩行力学大系:Phase4]本研究の集大成として,「歩行力学」という新しい学問領域を提唱する.これは航空機が飛行力学を礎に設計されているのと同様,二足歩行ロボットなどを設計する際の拠り所となるものである.
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