研究課題/領域番号 |
17206049
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
濱田 政則 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30164916)
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研究分担者 |
清宮 理 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50298139)
赤木 寛一 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30150965)
三浦 房紀 山口大学, 工学部, 教授 (60109072)
佐藤 忠信 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00027294)
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キーワード | 液状化 / 側方流動 / 基礎構造 / 耐震設計 / 杭 |
研究概要 |
遠心載荷場での模型型実験により群杭構造に作用する外力の特性を解明した。群杭には地盤の流動速度に起因した流体力および地盤の流動変位に起因した個体力が作用するが、群杭構造における杭の配置により流体力と個体力の影響の度合および流体力と個体力の合力の大きさが変化することが明らかにされた。これは地盤の流動速度と変位が群杭の杭間において著しく変動するためである。 模型実験をもとに、群杭に作用する流動外力を評価するための数値解析モデルを提案した。このモデルでは、液状化層からは流動速度による抗力、非液状化層からは地盤変位による弾性力を考慮している。数値モデルにより求められた杭への作用外力の時刻歴は実験値と良好な一致を示し、数値モデルの妥当性が検証された。 側方流動を防止する対策として、鋼矢板により地中壁を構築する方法を提案し、その有効性を同様に遠心載荷場による模型実験により検証した。この結果、対策工の地中壁には対策壁の上流・下流側地盤の液状化の度合の差による土圧、および対策壁の前後の地表面の沈下差による土圧が作用することが示された。これらの結果は既設構造物の基礎を地中壁によって防護する場合の耐震性設計法確立のために有用な情報を与えている。 流動外力に対する新しい基礎構造の研究として、木杭構造の有効性が検討された。1964年新潟地震における液状化・流動化地域の建物のRC杭、木杭および直接基礎の被害状況を調査し、木杭基礎がRC杭基礎と比較しても高い耐震性を有していることが示された。しかしながら、木杭を今後液状化・流動化対策に用いる場合には、その効果についてさらなる模型実験、数値シミュレーションおよび事例分析が必要である。
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