研究課題
一心円馬蹄形断面の都市トンネルを対象に覆工土圧、覆工曲げモーメントの初期分布、及び、地震を模擬した地盤のせん断変形履歴によるその分布の変化、また、そのせん断変形に伴うトンネル覆工の変形について地盤の緩みの有無が与える影響を遠心場静的せん断模型実験を行い実験的に検証を行い,以下の知見を得た。1. 本研究の実験装置では、地表中央部まで入力変位は完全には伝達されない。土被り3D地盤において土槽枠水平変位の5〜7割程度、1D地盤においては、1〜3割程度しか変位が伝達されず、土被りが低くなるほど変位が伝達されにくくなる傾向がある。2. トンネル覆工側壁部とインバートの接合条件をピン構造にすることで、せん断時発生曲げモーメントは多少大きくなるが、端部のモーメントを大幅に低減できる可能性がある。3. 乾燥砂地盤とセメント改良土地盤の相違点は、比較しうる因子が多く、また、それらが相互に関係しているので一概には理由付けできないが、以下の傾向がえられた。モーメントの初期分布は、セメント改良土のほうが大きい値を示し、モーメントのせん断増分は乾燥砂地盤のほうが大きい。せん断時のモーメントの絶対量は、分布形状が違うもののセメント改良土地盤のほうが小さい。4. 今回の実験において、都市NATMの設計において想定している、緩み土圧相当の初期条件を再現することができた。しかし、それはせん断履歴を受けることで地盤のアーチ効果が解消され、全土被り相当になる結果が得られた。つまり、地震等のせん断履歴により、設計で仮定している初期外力分布が変化する可能性がある。5. 初期応力解放はトンネル覆工の常時発生モーメントを大幅に減少させることができるが、せん断増分モーメントは大きくなる。初期状態を考慮した絶対値モーメントで見れば、せん断時発生モーメントは小さい値をとる。
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首都圏大震災軽減のための実践的都市地震工学研究の展開平成18年成果報告シンポジウム予稿集 1
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