研究課題
第1部(柱降伏型層崩壊実験):構造物にとって最も危険な崩壊メカニズムである、第1層の柱降伏型の層崩壊を想定した実験を行った。縮尺率1/20の3層1スパン立体鋼構造骨組の試験体は遠心重力20G場での神戸NS波加振によって第1層の柱降伏型の降伏メカニズムを形成した。その後、遠心重力30G場での正弦波加振を行った結果、P-Δ効果によって第1層の復元力が減少し第1層の層崩壊に至った。さらに、試験体崩壊時の映像からも第1層の柱降伏型の層崩壊を生じたことを確認できた。第2部(梁降伏型全体崩壊実験):エネルギー吸収能力が高く構造物にとって望ましい崩壊メカニズムである、梁降伏型の全体崩壊を想定した実験を行った。縮尺率1/60の12層3スパン立体鋼構造骨組の試験体は遠心重力60G場の正弦波加振によって、下層部分全体の変形が進展し、梁降伏型の降伏メカニズムが形成された。さらに、終局状態では下層部分の復元力に負の勾配が表れ、P-Δ効果の影響がみられた後に、試験体は崩壊に至った。以上の実験によって、遠心模型実験装置を用いて上部構造物の実験を行った場合においても変位、加速度、歪の十分な計測が行えることが分かった。加えて、通常の1G重力場の振動台では行えない中高層構造物の実験が可能であることを示した。さらに、柱降伏型モデルならびに梁降伏型モデルの振動崩壊実験によって、構造物は降伏メカニズムを形成した後に重力の影響によるP-Δ効果で復元力を失い崩壊に至ることを確認した。
すべて 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
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