研究課題/領域番号 |
17206061
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 哮義 京都大学, 防災研究所, 教授 (70293959)
|
研究分担者 |
原田 和典 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90198911)
鈴木 圭一 清水建設, 技術研究所, 研究員
大宮 善文 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10287469)
|
キーワード | 煙流動 / トンネル火災 / 換気風 / トンネル模型 / 多層ゾーンモデル / 火災実験 |
研究概要 |
本研究は、建物火災を対象にして開発を進めてきた多層ゾーン煙流動予測モデルを、地下街やトンネルなどへ利用可能なモデルとして新たに展開するものである。 今年度は昨年度京都大学防災研究所の構内に製作した、大規模トンネル模型(幅1.8mx高さ1,8mx長さ27.6m)を用い、道路トンネルを想定した換気用ジェットファンのトンネル内煙流動への影響に関する実験を行った。 予備実験として、先ずジェットファンの位置を変化させて、トンネル模型空間内の風速分布を測定し、この結果、ファンをトンネル出口近くに設置して空気を吸引する方式にするとトンネル空間内にほぼ一様な風速分布を得ることが出来るため、風速と煙流動の関係が明確にし易いことを確認した。 煙流動実験においては、火源としてメタノールのプール火源を用い、径の異なる容器を用いることで発熱速度を17.5、33、55kWの3レベル段階に変化させ、火源の高さについては床上0mと0.6mの2ケース、およびトンネル内換気風速については無風、0.25、0.5、0.75、1.0、1.25m/sの6段階を設定し、これらの全ての組み合わせについて計36条件の実験を行った。測定は、トンネル内9箇所に配置したツリー上に設置した計90点の熱電対による温度および4箇所に設置した計24点の風速計による風速の測定を着火3分前から15分間、1秒間間隔で行った。 多層ゾーンモデルはトンネル内の気流の動圧が維持されていることを考慮して計算法を変更・修正し、このモデルによる予測を上記実験結果と比較し、概ね良好な一致をみた。一部一致の良くないケースは、換気風により火災プリュームが著しく吹き倒され、計算で設定したゾーンの範囲内で天井に衝突していない場合である。また、無風時トンネル内天井流の非定常伝播段階の煙層厚さと伝播速度について分析し、これらの予測式を規定する相似パラメタの関数として回帰的に求めた。
|