研究課題
○解析手法開発(1)EELSスペクトルの高エネルギー分解能化現時点で信号処理能力において最高の能力を有すると思われるPIXON法によってスペクトルをdeconvolutionするプログラムを完成した。これによって電子エネルギー損失スペクトルのエネルギー分解能は約0.5eVにまで向上した。(2)第一原理電子論計算によるスペクトル予測相対論効果を考慮した多電子系の多重項の計算を行い遷移金属や希土類のホワイトラインスペクトルの計算法を確立した。(3)電子チャネリングを利用した原子サイト選択的電子状態測定法の確立特定の原子面または原子列を占める元素の電子状態を選択的に測定するための理論計算法および実験手法を開発した。○応用測定:上記の解析手法の開発成果を利用し以下のような応用測定を行った。(4)機能材料のEELSスペクトル測定・解析水素吸蔵材料・鉄鋼材料において局所分布している水素の検出:ナノ構造化黒鉛材料中の鉄カーバイド粒子中の水素が、周囲の電子状態を変化させることから水素の存在を間接的に検知する方法を見いだした。これを水素による遅れ脆性を示す鉄鋼材料に適用し、サブミクロンサイズで水素の分布を可視化する手法を提案した。(5)電子チャネリングEELS測定によるサイト選択的スペクトル測定上記の手法をまずモデル物質であるNiAl_2O_4スピネル系に適用し、実際にサイト選択的な電子状態測定ができることを示した。次に同じ構造をもつMn_3O_4において2価のMn原子と3価のMn原子が100方向に交互に配列していることを示した。更に応用例として高温超伝導体であるYBCO系材料の酸素スペクトルを測定したが、結晶の一軸異方性による相対論効果の発現、及び強相関系における多電子効果が強く、簡単な理論計算とスペクトルが一致しないことが判った。これについては現在詳細に検討中である。
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