研究課題/領域番号 |
17206067
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平尾 一之 京都大学, 工学研究科, 教授 (90127126)
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研究分担者 |
下間 靖彦 京都大学, 国際融合創造センター, 産学官連携助教授 (40378807)
米崎 功記 山梨大学, 医学工学研究部, 助手 (20377592)
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キーワード | 無機工業材料 / ナノ材料 / 光機能素子 / 高性能レーザー / 格子欠陥 |
研究概要 |
フェムト秒レーザーのシングルビームを石英ガラス(SiO_2)、二酸化テルル単結晶(TeO_2)に照射し、レーザー光の偏光方向に依存したナノ周期構造を形成した。SiO_2では偏光に垂直な方向に酸素欠陥が200nmの間隔で周期的に形成されたが、TeO_2は融点が低い(〜730℃)ため、空孔からなる欠陥が100nmの間隔で周期的に形成された。SiO_2内部にナノ周期構造を形成した後、レーザーの伝搬方向に平行平面から研磨を行い、購入したハロゲン光源を使用した側面観察および電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)を用いてナノ周期構造を三次元的に評価した。レーザー光の偏光を円、直線(垂直、水平)に変え、焦点をx-y平面内でスキャンし、形成された誘起構造を研磨、フッ酸によるウェットエッチングを行った断面についてFE-SEMを用いて観察し、レーザーの伝搬方向にも三次元的なナノ周期構造が形成されることを明らかにした。さらに偏光に依存したナノ周期構造はレーザー光の焦点内部に三次元的に短冊状に形成されることを明らかにした。レーザーの伝搬方向に形成されたナノ周期構造の周期間隔はSiO_2中のレーザー光の波長(800nm/1.45=550nm)にほぼ一致した。レーザー光の集光照射により、プラズマ電子波が2つ発生し、レーザー光(フォトン)と2つのプラズマ電子波(プラズモン)が干渉して、レーザー光の伝搬方向にもナノ周期構造が形成されたものと考えられた。発生した2つのプラズモンのうち、一方は材料中を縦波として伝搬するが、もう一方は伝搬できずに減衰するという新しいプラズモン崩壊モデルを立てた。さらに購入した分解タイプ石英ガラスリアクターを使用して液体中に保持された金属粒子でも同様の現象が起こることを確認した。アルコール溶液の場合、レーザー光の照射により、アルコールが分解して水素ガスが発生し、金属の酸化が抑制されていることを購入した島津キャピラリガスクロマトグラフシステムにより確認した。
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