研究課題
基盤研究(A)
フェムト秒レーザーの干渉場および偏光特性を利用することによって、材料表面を損傷させることなく、内部に周期的ナノ構造を形成した。フェムト秒レーザーパルスは、極めて光電場強度が高く、電子と格子が熱平衡状態に達する前に光エネルギーを効率的に材料内部に注入できため、光誘起プラズマ電子波(プラズモン)とレーザーパルス(フォトン)を相互作用させることに成功した。特に、石英ガラスの場合、レーザー光のシングルビームのみの集光照射によって、偏光方向に垂直な方向に周期間隔200nm、幅20nmの酸素欠陥が自己組織的に形成され(ナノグレーティング)、ガラス組成がSiO_2からSiO_<1.4>に変化することを見出した。一方、アルカリ金属やアルカリ土類金属を含む多成分ガラスでは、偏光に依存したナノグレーティングは形成されず、NaやCaなどが周囲に拡散した。さらに、音響光学結晶であるTeO_2単結晶に適用したところ、偏光方向に垂直な方向に空孔欠陥が周期的に形成した。これは、石英ガラスに比べてTe-Oの結合エネルギーが低く、融点が低い(733℃)ためと考えられた。ナノ構造の形成メカニズムを解明するため、レーザー光強度を変化させ、ナノ構造へ及ぼす影響を系統的に調査した。レーザー光強度の増加に伴い、ナノグレーティングの周期間隔が100から400nmに変化することから、ナノグレーティングの形成はレーザー光により誘起したプラズマに由来し、特にプラズマ電子温度により理論的な解釈が可能であることを見出した。以上の基礎検討に基づき、微小光学素子をガラス内部に形成し、透過・反射特性を評価した結果、ナノグレーティングの周期間隔や配列方向に依存した反射スペクトル、透過光強度の変化を確認した。回折格子や偏光分離素子、さらに微小アッテネータ等の微小光学素子をガラス内部や光ファイバー内部に集積化させることにも成功し、超小型光デバイスを開発した。
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