研究課題/領域番号 |
17206080
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
後藤 元信 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80170471)
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研究分担者 |
佐々木 満 熊本大学, 工学部, 助教授 (40363519)
秋山 秀典 熊本大学, 工学部, 教授 (50126827)
浪平 隆男 熊本大学, 工学部, 助手 (40315289)
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キーワード | 超臨界流体 / 亜臨界流体 / パルスパワー / プラズマ / 電気化学反応 / 二酸化炭素 / 水 |
研究概要 |
臨界点近傍の亜臨界・超臨界流体を場として、1)パルスパワーによるプラズマ、2)電気化学反応用電界、などを付与したエネルギー場を反応場として物質変換を行うための基礎的検討ならびに応用事例を研究することを目的とした。プラズマに関しては超臨界流体で生成するプラズマの現象の科学的解明をし、物質変換プロセスなどへの応用につながる技術を創生することを目指し、電気化学においては亜臨界水中での電気化学反応のメカニズムを解明し、各種の反応の場としての基礎技術を確立することを目指して基礎的研究を行なった。 1.亜臨界・超臨界流体中でのパルスパワーによるプラズマ生成 気相から亜臨界・超臨界流体条件まで広範な温度・圧力下で二酸化炭素中におけるプラズマをパルスパワーにより生成することに成功した。アーク放電について、遅延時間は4MPaまでは圧力の上昇とともに増加し、5MPa付近で急激に低下の後に再度増加して10MPa程度で一定となった。絶縁破壊電圧は4MPa程度までは圧力とともに増加し、臨界点近傍で若干低下した後、一定となった。ストリーマー放電については積分写真により観察し、絶縁破壊電圧は3MPaから臨界点まで一定で、臨界点付近で急激に増加した後、緩やかに増加し、流体密度に依存していることが判明した。また、超臨界水中でプラズマ生成が可能な装置を設計製作した。 2.亜臨界水中での電気化学反応実験 亜臨界水中での電気分解(水熱電解)による電気化学反応機構をフルフラール、グルコースなどを原料に検討した。水熱電解の生成物と亜臨界水中での水熱化学反応との比較を行ったところ、水熱電解により水素ならびに二酸化炭素が生成し、電気分解を行なった方が有機炭素残存率が大幅に減少し、pHも初期に減少することから、フルフラールやグルコースは有機酸などに分解された後に水素と二酸化炭素に分解されることがわかった。
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