臨界点近傍の亜臨界・超臨界流体を場として、プラズマや電界などを付与したエネルギー場を反応場として物質変換を行うための基礎的検討ならびに応用事例を研究することを目的とした。プラズマに関しては超臨界流体で生成するプラズマの現象の科学的解明をし、物質変換プロセスなどへの応用につながる技術を創生することを目指し、電界においては亜臨界水中での電気化学反応のメカニズムを解明し、各種の反応の場としての基礎技術を確立することを目指して基礎的研究を行なった。 1.亜臨界・超臨界二酸化炭素中でのパルスパワーによるプラズマ生成および反応への応用 気相から亜臨界・超臨界流体条件まで広範な温度・圧力下で二酸化炭素中における種々のプラズマを生成し、各種の有機化合物の化学反応への応用を検討した。 2.亜臨界・超臨界水中でのパルスパワーによるプラズマ生成 亜臨界水中でのプラズマ生成実験をおこない、放電特性を調べた。また、超臨界水プラズマ中での物質変換を実験としてフェノールおよびアニリンの反応を行ったところ、分解と同時に重合物が生成することがわかった。 3.亜臨界水中での電気化学反応実験 亜臨界水中での電気分解(水熱電解)を水酸基を有する有機化合物について検討した。グリセリンおよび単糖の水熱電解反応の結果を速度解析した。流通式反応器での水熱電解反応を実測し、解析した。 4.超臨界流体中でのレーザーアブレーション 超臨界二酸化炭素中での銅板のレーザーアブレーションを行い、流体圧力の増加に伴いアブレーションにより生成した銅板の孔の深さが増加することがわかった。
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