研究課題/領域番号 |
17206082
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本多 裕之 名古屋大学, 大学院工学研究科, 教授 (70209328)
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研究分担者 |
大河内 美奈 名古屋大学, 大学院工学研究科, 講師 (70313301)
井藤 彰 九州大学, 大学院工学研究院, 助教授 (60345915)
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キーワード | ペプチド / バイオインフォマティクス / ペプチドアレイ / 網羅的 / がん治療 / ナノ微粒子 / デザイン / 細胞死誘導ペプチド |
研究概要 |
ペプチドのバリエーションは6-merでも6400万種類に達するほど大きく、新規機能性ペプチドの探索は困難である。われわれは、膨大な生物情報を解析し因果関係のルールを抽出する手法(FNN)を確立しており、ペプチド探索研究に、本解析手法を組み合わせた、新しい概念である"ペプチドインフォマティクス"の確立と実証を行った。 1)マウス線維芽網胞を用いた接着ペプチドの探索に応用した。643種類のランダムな5-merペプチドライブラリーを作成し、細胞接着を評価したところ、接着能力の高い配列は19.6%含まれた。活性の高い30ペプチドと低い30ペプチドをFNN解析した結果、N末端アミノ酸(P1)のサイズ、2残基目(P2)の電荷、4残基目(P4)のサイズが重要との解析結果を得た。得られたルール(A1)に従って270ペプチドを新たに合成して接着活性を評価したところ接着能力の高い配列が31.5含まれた。同様に40ペプチドを取り出し情報解析した結果、さらにP1のサイズ、P3の電荷とサイズを組み合わせたルール(A2)が得られ、A2に従って50ペプチドを合成して評価した結果、活性の高い配列は84%含まれることがわかり、得られたルールA2は線維芽細胞の接着に重要なルールであることが実証できた。 2)ペプチドアレイデータを解析し配列の特徴を、正確にルールとして抽出するため、Dynamic Programingを用いた配列のマルチプルアライメントの新手法を開発した。この方法を用いて、活性モチーフをもつ4から12アミノ酸基の100個のペプチド配列データをシミュレーション解析した結果、目的のモチーフを正確に推論でき、機能性ペプチドのルール抽出法として活用できることがわかった。 3)ペプチドはタンパク質に比べ結合の親和性が弱く、また低分子であるため、結合検出には、高感度な検出系力必要である。そこで、カーボンナノチューブを成長させた微小な電界トランジスタをタンパク質やペプチドの検出に使う方法を考案した。
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