繰り越しを経験したが、全体としては本格的な研究が遂行され十分な研究実績をあげることができた。 1PIV用水素・重水素混合固体微粒子トレーサ生成法の改良と確立:He II実験のため、中立安定性、細かい粒径(10μmオーダ)の高数密度分布、かつ低温条件下(1.8K以下)での生成が可能になった。 2大出力連続光レーザー(CW-YAG)を光源とし、高速ビデオを利用したPIVシステムの完成。 3He II中の熱カウンター流ジェット計測: ・クライオスタット内に設置する熱カウンター流ジェット装置用フランジ、ジェットチャンバーの精密位置制御用微動装置が完成し、速度分布計測の空間分解能が向上した。 ・ジェットの平均軸上流速、平均速度の空間分布が、より広い温度領域において高精度で測定された。下流域の速度分布は通常粘性流体の軸対象ジェットに典型的なGortler型速度分布布をもつことが確認された。下流に向かっての乱流ジェットの減衰則も得られた。ノズル出口流速についても広くデータが取得され、LDV計測値や理論値との比較がなされた。 4高速流動現象応用であるキャビテーション流へのPIV応用が行われ、この速度分布データよりキャビテーションボイド率の計測が可能となり研究が大いに進んだ。また、ノイジー膜沸騰の解明のためのPIV応用が検討され、今後有力な研究手段となることが確認された。 5一様等方性超流動乱流発生装置の設計:曳航格子法等の方式の検討がなされ、今後実験に進むべきことが確認された。
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