研究課題/領域番号 |
17206084
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
都木 恭一郎 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 教授 (40172142)
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研究分担者 |
篠原 俊二郎 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助教授 (10134446)
谷川 隆夫 東海大学, 総合科学研究所, 教授 (70207174)
羽田 亨 九州大学, 大学院総合理工学研究院, 助教授 (30218490)
船木 一幸 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部, 助教授 (50311171)
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キーワード | 無電極プラズマ生成 / ヘリコンプラズマ源 / 無電極プラズマ加速 / 電磁加速 / プラズマロケットエンジン |
研究概要 |
研究代表者らは、独自のアイデアでプラズマの生成から加速にいたる全てを無電極アンテナで行うプラズマロケットエンジンを研究している。これは、寿命制限の無い究極の電気推進ロケットエンジン(軌道上で太陽電池等のエネルギーにより推進剤をプラズマ化して電気的に加速噴射するロケットエンジン)である。 今年度は、ガラス管の代わりに高強度の浮動電位の金属を構造体とするプラズマ生成部の実験を行った。その結果、大口径のヘリコンプラズマ源については真空チャンバーをそのまま構造体としたスパイラルアンテナ方式がプラズマと生成アンテナとの離脱も良く、適していることが分かった。小口径については、引き続き検討を行う。 プラズマ生成シミュレーションについては海外研究協力者のK.P.Shamray博士の解析予測と照合させてヘリコンプラズマ生成を行ったところ励起周波数27.12MHzにあっては予測どおり磁場強度800Gaussで10^<13>cm^<-3>密度を超えるプラズマが生成された。そのプラズマを測定した結果、波の分散関係式がヘリコン波のものと一致することが確認された。さらに解析ではヘリコン波がより励起され易いと予測される40.68MHzの周波数も実験したが、プラズマ点火が容易で無いことが判明、レーザーによる点火を促すため、高出力レーザーを購入した。しかし、高周波電源が発振し易く、改修が必要となった。 一方、予てより提唱してきた非接触の高周波アンテナによるプラズマ加速の実験を行った。その結果、繰り返しパルス方式(鋸歯状のコイル電流によりプラズマ中に周方向電界を誘起)の加速では十分な加速が確認できなかったが、リサージュ方式(対向する平行平板二組によってプラズマ中に周方向電界を誘起)では500Wで最大3km/s以上の加速を実現することができ、予備実験として成功した。今後はその効率を改善することを目標にする。
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