研究課題/領域番号 |
17206086
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
角 洋一 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (80107367)
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研究分担者 |
川村 恭己 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (50262407)
和田 大志 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 助教授 (60359700)
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キーワード | 海上安全 / 船舶工学 / 疲労 / 腐食 / 破壊力学 / 長寿命化 / き裂管理 |
研究概要 |
平成18年度の研究実績は以下の通りである。 (1)疲労き裂伝播経路・寿命シミュレーション・コードの実用化研究 実船構造の縦横部材交差部に発生する疲労き裂に対応するため、疲労き裂伝播経路・寿命シミュレーション・コードを用い複数き裂同時進展シミュレーションを行った。特に、不規則な荷重履歴によるき裂伝播遅延効果を精度よく算定できるように、き裂面残留塑性域厚さに基づく繰り返し引張降伏範囲に対応する応力拡大係数範囲の計算手法を開発し、変動荷重疲労試験によりその計算精度の確認を行った。疲労荷重として実船の長期荷重分布の条件を満たす荒天時の荷重履歴ブロックの集合体を採用し、本手法を適用したところ、通常の手法に比べ2倍以上のかなり長寿命側の予測結果が得られた。また、荷重履歴の相違により寿命のばらつきもかなり大きくなることがわかった。 (2)面外せん断モードのルート割れ疲労破壊の解明 角巻き溶接止端部の疲労破壊においては、開口モードの表面き裂による止端破壊と隅肉溶接の未溶着部を起点とする面外せん断モードの破壊が現れる。これは、当該部に作用する局部応力の直応力成分とせん断応力成分の大小関係に支配されるので、これらの値をパラメトリックに変化させた疲労試験を行い、破壊モード遷移条件を解明した。 (3)腐食模擬試験片の系統的引張試験による延性低下現象の解明 降伏比を系統的に変化させた鋼材に腐食ピットを設け引張試験を行い、破断までの吸収エネルギに密接に関わる塑性変形領域の局所化のメカニズムを実験的に詳細観察し解明した。また、数値シミュレーション手法として、非線形解析コードLS-DYNAを導入し、破断までの解析を実施し、実験結果を模擬する結果が得られるかその妥当性を検討した。
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