研究概要 |
コンパクト(大半径 R=34cm,水平幅 2a=18cm,垂直高さ 2b=28cm)ながら長い磁力線長を有するトロイダル・ダイバータ模擬試験装置において、フェライト変圧器を用いて200kHz前後の駆動周波のRFジュール放電とLaB6陰極を用いた直流放電により高密度重水素プラズマを生成することができた。 RFジュール放電の場合、n_c/P_<in>ガス圧力依存性に関しては簡単な1次元の数値解析モデルにより、その傾向をほぼ再現することができ、物理的意味づけを与えた。その成果は第10回核融合装置における周辺プラズマ理論に関する国際ワークショップ(PET 2005)において発表され、学術雑誌Contributions to Plasma Physicsに公表された。 RFジュール放電に用いるプラズマ生成用インバータ電源(30kW,220V-150A)の負荷インピーダンスを電源のそれに近づけるべく、フェライト変圧器の巻き数比を調整して最適化を図った。その結果、水素ガス(0.1-0.2Pa)にてピーク密度n_<e0>=1.0x10^<18>m^<-3>,Te=7-15eVの大容量高熱流重水素プラズマの生成に成功した。この際特徴的な時間スケールが10ms程度のゆっくりとした構造変化が見られるなど興味深い現象も捉えられた。 直流放電においては数eVとやや低温ではあるが、プラズマ密度10x10^<19>m^<-3>を超えるトーラスプラズマの生成に成功している。この際、隣り合う周回のプラズマが重なり合わないように磁力線のピッチを確保しつつ、トロイダル磁場強度を大きくすることが高密度プラズマを得るために必要な条件であることも明らかにし、十分な垂直磁場強度を得るべく、コイルの強制水冷化により高密度プラズマを実現している。
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