研究課題
磁気島のプラズマ修復について包括的なパラメータ依存性をみるために、磁気軸(R_<ax>)の位置とベータ値を変化させた場合のプラズマ応答を調べる実験をおこなった。それによると、磁気軸がトーラス外寄りの場合には同じプラズマベータ値に対して、内寄せに比べてプラズマ修復能力が大きく、磁気島が強く抑制されることがわかった。このことについては以前から予測はされていたが、今回系統的なデータ収集を行うことで新たに実験的に証明された。R_<ax>=3.75mの配位では、周辺部にm/n=1/1の磁気島を形成してさらに周辺部を強力に排気することにより、極めて明瞭な粒子輸送障壁がρ=0.5~0.6に観測された(ρは規格化小半径)。この輸送障壁は磁気シアーが小さくなる付近に形成されており、その内側では高密度領域が現れる(〜5×10^<20>m^<-3>)。ベータ値を上げるほど輸送障壁はより小半径外側に現れ、中心の高密度領域が顕著になることがわかっているが、これは回転変換の分布の変化によるものであると考えられる。一方で、これまでの実験から磁気島はベータ値を上げるほど強く抑制されることがわかっており、MHD安定性を介して磁気島修復と輸送障壁形成がお互いに影響し合っている可能性もある。今後の解析ではこの点についても考察をおこなっていく予定である。周辺部の磁気島・エルゴディック層の磁場構造を3次元的に取り入れたプラズマ輸送シミュレーションコードの準備も始めており、コードのベンチマークと初期的な結果が得られている。プラズマ応答のポロイダルモード数測定用のサドルループコイルを現在製作中であり、校正試験の準備を進めている。
すべて 2006 2005
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Plasma and Fusion Research 1
ページ: 004
Nuclear Fusion 45
ページ: 888