研究課題/領域番号 |
17206097
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡 芳明 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (40011225)
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研究分担者 |
劉 傑 東京大学, 大学院工学系研究科, 助教授 (50376505)
越塚 誠一 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (80186668)
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キーワード | 粒子法 / 気液二相流 / 限界熱流束 / ドライアウト / 液滴衝突 / 表面張力 / 濡れ性 / 熱伝導 |
研究概要 |
1.目的: 燃料棒におけるドライアウト現象の予測は沸騰水型軽水炉の安全と設計上の重要課題である。本研究では液滴の加熱面への衝突を粒子法で解析し、壁面から液滴への伝熱量を計算する。 2.方法: 液滴の分裂、飛散、相変化を扱うために、MPS法(Moving Particle Semi-implicit Method)を適用した。流れ場や温度場を表す偏微分方程式を粒子間相互作用に置き換え離散化した。離散化の際には粒子間距離を変数とした重み関数を用いた。圧力を陰的に、他の物理量は陽的に解く半陰的解法を用いた。表面張力、濡れ性、熱伝導及び蒸発モデルを導入した。熱伝導モデルと蒸発モデルの妥当性を静的・動的なモデルで検証した。その後、複数の接触角およびウェーバー数の条件下で液滴の加熱面への衝突を解析した。 3.結果: 蒸発のない場合の解析から得られた知見は以下のとおり。 ・液滴衝突初期に多くの伝熱が生じる。 ・ウェーバー数、接触角が大きいほど液滴の飛散が生じやすい。 ・液滴が飛散しない場合、ウェーバー数が大きいほど衝突初期の伝熱量が増大する。 ・液滴が飛散する場合、ウェーバー数が大きくなっても衝突初期の伝熱量はほぼ変わらないか、減少する。 蒸発のある場合の解析では、壁面温度150℃と200℃において実験結果と同様の液滴形状と滞在時間を再現することができた。また、加熱面への単一液滴衝突後の壁面からの除熱量を計算することができ、各加熱面温度における滞在時間と全伝熱量(除熱量)の関係を得た。
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