研究課題
1.維管束分化関連細胞外ペプチド(タンパク質)の網羅的単離・同定シロイヌナズナ道管細胞分化培養系の培地を用いて、維管束分化に関連するペプチドの網羅的同定のための予備的実験を行った。まず、疎水カラムと簡易サイズ分画を行い、ペプチド画分を分離した。これを液体クロマトグラフィーで分離した後、TOF-MSにかけ、ペプチドを網羅的に同定した。その結果、数百のピークが得られ、そのうち数十のペプチド配列の推定に成功した。2.道管分化阻害因子TDIFの同定昨年分離したTDIF活性画分をTOF-MS,アミノ酸シークエンス等の解析にかけ、最終的に、TDIFは2つの水酸化プロリンを含む12個のアミノ酸からなるペプチドであることを証明した。化学合成したペプチドはまた、同様の活性をもった。TDIFの遺伝子を単離し、その構造を解析したところ、TDIFはTDIF遺伝子のC末にコードされており、N末の大部分とC末の1アミノ酸が除去されて、つくられることが明らかとなった。3.新規シグナル因子としての多グルタミン酸結合型葉酸の同定維管束前形成層で強く発現する遺伝子の解析から、多グルタミン型葉酸のグルタミン酸鎖切断酵素が前形成層およびメリステム形成に関与することが示唆された。この遺伝子の過剰発現はメリステムの縮小を引き起こし、3つあるグルタミン酸鎖切断酵素遺伝子機能をすべて抑制すると植物分裂組織の増大が起こった。この結果から、多グルタミン型葉酸シグナルが前形成層およびメリステムにおける幹細胞機能の維持に関与することが示唆された。
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