研究課題/領域番号 |
17207013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
佐藤 矩行 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (30025481)
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研究分担者 |
笹倉 靖徳 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (10400649)
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キーワード | カタユウレイボヤ / 発生遺伝学 / 挿入突然変異体 / 発生・分化 / 遺伝子機能 / 大槻模スクリーニング / マイクロアレイ / 変態 |
研究概要 |
本研究においては、脊索動物尾索類カタユウレイボヤ(Ciona intestinalis)への発生遺伝学的研究手法の導入をめざした。カタユウレイボヤの世代時間は2-3ケ月と短く、トランスポゾンの一種Minosがこのホヤにおいて活性をもち、MinosトランスポゾンをゲノムDNAに挿入したトランスジェニックラインを作製することに成功した。そこで、この技術を駆使して、できるだけ多数のカタユウレイボヤ突然変異体の単離を目標に、Minos挿入変異体の大量スクリーニングを行う。そして、得られた突然変異体の原因遺伝子の同定し、さらにその作用機構をマイクロアレイを用いて解析する。同時にさまざまなトランスジェニックラインを作製し、カタユウレイボヤにおける発生遺伝学の基盤を確立する。 本年度は昨年度に続きカタユウレイボヤの遺伝子トラップ系統50系統の作製および30系統のスクリーニングを行った。また、昨年度単離したホヤ変態期突然変異体sj-4およびtail regression failed(trf)をマイクロアレイによって解析した。trfは変態途中で尾部の吸収が生じない異常が認められる一方で、成体組織の成長が進行し、尾部を持った幼若体の形態をとる。このことから、ホヤ変態イベントの制御には2つの独立したパスウェイの存在が示唆される。本年度はまたトランスジェニックラインの作製に力を入れた。その結果、幼生の表皮、筋肉、神経、脊索のマーカー系統として使えるもの、また成体の神経複合体、鰓、血球などのマーカーラインとして使えるものなど20ライン以上の作製に成功した。現在これらのマーカーラインを用いて、遺伝子の発現と機能の解析も進めている。
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