研究課題/領域番号 |
17207018
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 馨 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (80133718)
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研究分担者 |
境 信哉 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 准教授 (30299804)
村田 和香 北海道大学, 大学院・保健科学研究院, 教授 (10200304)
小林 法一 首都大学, 東京・健康福祉学部, 准教授 (30333652)
川初 清典 北海道大学, 高等教育機能開発総合センター, 教授 (80026822)
横山 真太郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90002279)
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キーワード | 高齢者 / 日常生活 / 身体活動量 / 生理的多型性 / 加速時計 |
研究概要 |
高齢者に適合したハード及ソフトなものづくりを実現するため、高齢者の機能に基づいたグルーピングをめざした。本年度は昨年まで実験を行った東京と札幌の夏期と冬期の高齢者の日常生活活動量の計測、身体特性、及び身体活動に関する高齢者の意識・環境の調査のまとめを行った。 1. 高齢者の身体活動量の生理的多型性では、多型性の抽出の方法を開発した。身体活動量以外のデータから被験者のグループ分けを行い、このグループ間で加速時計ViMを用いた3日間の身体活動量(1日の酸素摂取量、1日の平均METs)の推定値に差がみられた場合に身体活動量に多型性が存在すると定義した。まず、東京と札幌の全被験者のデータからデータマトリックスを作成し、体力計測値群から多次元クラスター分析により被験者のグループ分けを行い、4グループを抽出した。しかし、これらのグループ問の身体活動量の差はみられず、体力を背景としたグルーピングでは身体活動量に生理的多型性は見いだせなかった。一方、東京群と札幌群の間には身体活動量に有意な差があり、生活環境による影響が認められた。 2. 各種の調査項目(1)環境、遂行技能・習慣・価値の自己評価、(2)作業バランス : 日課の把握、活動数、その意味づけ、活動バランスのパターン、(3)SF-36によるQOL、(4)健康度自己評価としてのCMIによるグループ分けでは身体活動量に有意な差が認められるものはみられなかった。 3. そのほか、局所寒冷刺激反応、視覚認識能力、作業バランスからも有意なグループ分けは見いだされなかった。 4. 結論として健康な高齢者の被験者においては体力,QOL,健康度などの個人的特性からは、身体活動量にグループは見いだせず、生活環境の違いによるグループが身体活動量に有意な差が認められた。
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