研究課題/領域番号 |
17207019
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
藤原 勝夫 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (60190089)
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研究分担者 |
森 昭雄 日本大学, 文理学部, 教授 (30060148)
村上 新治 札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (30142756)
渡辺 一志 大阪市立大学, 体育学研究室, 助教授 (50167160)
室 増男 東邦大学, 医学部, 教授 (80112887)
国田 賢治 大阪市立大学, 体育学研究室, 講師 (20316003)
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キーワード | 頚部前屈 / 脳賦活 / 眼球運動反応時間 / 感覚刺激誘発電位 / 磁気刺激運動誘発電位 / 脳波周波数分析 / 大脳皮質局所血流量 / 筋血流量 |
研究概要 |
頚部前屈姿勢に伴う脳の賦活状態について検討した。脳賦活の状態は、眼球運動反応時間、感覚刺激誘発電位、磁気刺激運動誘発電位、脳波周波数特性、大脳皮質局所血流量、筋血流量で評価した。被験者は、健康な大学生15名からなる。座位姿勢にて安静頚部姿勢を保持した後、20度前屈姿勢を保持した。1)眼球運動反応時間:頚部前屈姿勢を保持すると、視覚誘導性サッケード及びアンチサッケードのいずれにおいても眼球運動反応時間が短縮した。この短縮値は、アンチサッケードの方が視覚誘導性サッケードよりも大きかった。アイチサッケードの開始200ms前の運動関連脳電位は、頚部前屈による特徴的な変化を示した。2)感覚刺激誘発電位:(1)視覚誘発電位-頚部前屈姿勢を保持すると、P100潜時が有意に短縮したが、N75、N145潜時には有意な変化が認められなかった。酸化ヘモグロビン濃度は、後頭葉では、LO、MO、RO付近でのみ有意な増加が認められた。(2)聴覚誘発電位-頚部前屈では、Pa-Nb、Nb-Pb成分ともに、振幅が有意に増大した。酸化ヘモグロビン濃度の有意な増加が、側頭葉では、両半球の2次聴覚野付近でのみ認められた。(3)体性感覚誘発電位-頚部前屈では、P45の潜時に有意な短縮が認められた。酸化ヘモグロビン濃度の有意な増加が、手の体性感覚野近傍でのみ認められた。3)磁気刺激運動誘発電位:頚部前屈姿勢では、運動誘発電位の振幅の有意な増大が、第一背側骨間筋、上腕二頭筋、及び上腕三頭筋に認められた。脊柱起立筋と大腿四頭筋においても増大する傾向が認められた。4)脳波周波数特性:頚部前屈によるFFT平均振幅の増加は、β帯域に顕著に認められた。その胸部位は、左右視覚野、左頭頂、左右前頭葉であった。5)筋血流量:頚部前屈によって、上腕二頭筋・三頭筋、前脛骨筋の筋血流量が増加し、その増加は筋交感神経の減弱と対応していた。
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